(※2018.11.14に20選へ変更しました)
皆さんが働いているデイサービスの1日の流れはどのようになっていますか?
まず来所された方からバイタルチェックをして、問題が無ければ入浴やリハビリや自主的に運動をおこなったり、物理療法を受けたり…を順番におこなっていき、昼食と休憩をはさんだ後にレクリエーションを行なう、という施設が多いと思います。
というのも、レクリエーションに本腰をいれるのはだいたい午後からで、午前中にレクリエーションを行なうところは少ないのではないでしょうか。
おそらく朝にレクリエーションを行なっていない理由というのは、元々そういう1日の流れだからということもあるでしょうし、まずその方と契約しているサービスを提供することが優先されているからだと思います。
そこで今回は午後に行なうレクリエーションとは違い、朝もしくは午前中にお勧めのレクリエーションを紹介したいと思います。
目次
朝・午前中におすすめのレクリエーション【20選】
高齢者にとってもいつもの流れというのは大事ですが、時には違うスケジュールで動いていただくことも刺激になってよいのではないでしょうか。
その刺激が脳の活性化などに繋がっていきます。
今から紹介するレクリエーションを行ない、朝から元気に過ごしていただけたら嬉しいですね。
それでは早速紹介していきます。
①ラジオ体操
現在の状況はよくわかりませんが、小学生頃の夏休みの朝や、スポーツの準備運動として必ずこのラジオ体操を行なっていたものです。
高齢者にも「何かの始まり」にはこのラジオ体操を行なう習慣は身に染みついていますので、ラジオ体操を朝に行なうことで「1日の始まり」を感じていただくことができます。
なにより体操ですので、これから体を元気に動かす前のウォーミングアップには最適ですね。
②パタカラ体操
表情筋や呼吸筋を鍛えることができるこの体操は、食事の時の嚥下をスムーズに行なうことができる効果があります。
この体操は、食事前に行なうことでより効果が発揮できます。
「この体操をまじめにやっておくと、顔の筋肉が鍛えられて顔のしわがへりますよ~」「今より若く見られますよ~」などとジョークを交えながら行なうと、楽しく体操に参加していただけます。
③日にちの確認とその日の雑学
1日の始まりですので、まずは今日の日付を確認しましょう。
しかし日にちを聞く場合は、見当識のしっかりした高齢者だけにした方がよいかと思います。
見当識の低下した方に聞いて間違ってしまった…ということが続いてしまうと失敗や間違った経験を積んでいくことになります。
見当識の低下している方には、皆さんに今日の日にちをお伝えするときに確認する程度にした方がよいと個人的には考えています。
そのなかで「今日は〇〇の日と言われています。その由来は…」とちょっとした雑学を入れることで印象に残っていきます。
④豆つかみ(すくい)
小豆などをお皿に入れて、お箸を使って別のお皿に移す練習をします。
これはそのまま食事時のお箸の練習になりますし、手先の運動は脳の活性化に適しています。
お箸が難しい方にはスプーンなどですくう練習をしていただくとよいですね。
⑤ハンドマッサージ
若い方も朝というのは体がまだ目覚めておらず、筋肉が緊張しています。
高齢になるとその状態はより顕著です。
職員さんがしっかりと高齢者の手をとり、優しくマッサージをしていくとリラックス効果がうまれ筋肉の緊張がほぐれていきます。
マッサージはうまくなくてもいいんです。
ここでは高齢者とお話をしながらさすったりすることが大事になります。
⑥合唱
朝礼などを行なっているデイサービスでは、みんな揃って合唱を行なうこともよいと思います。
歌うことで口腔周辺の筋肉の準備運動にもなりますし、肺活量を鍛えることができますね。
また、その時の季節や時期を感じる歌を提供することで、見当識の維持にもつながっていきます。
⑦指回し
先述しましたように、朝来たばかりの高齢者は体の筋肉がまだ緊張しています。
ですので、あまりダイナミックな運動は避けて、徐々に体を起こしていただくようにしましょう。
また指回しは脳の活性化にも効果があります。
体と同様に脳もまだ完全に目覚めていない方もいらっしゃいますので、体と脳を起こすためにはよい運動だと思います。
⑧囲碁・将棋・オセロ
入浴や自主練習などの順番を待たれている方がいれば、このような運動の少ないレクリエーションで、まずは脳の活性化を図るようにしましょう。
それから徐々に体を動かすプログラムを行なうようにすると、スムーズに1日を過ごすことができると思います。
⑨新聞読み
自宅で朝一番はじめにすることといえばなんでしょう?
若い職員さんでは新聞をとっている方は少ないかと思いますが、高齢者は朝の新聞を読む習慣がある方が多いです。
新聞を読むこと自体もよいのですが、今世の中で何が起こっているのかわかりますし他の高齢者や職員さんとのコミュニケーションを図るきっかけにもなります。
⑩植物などのお世話
デイサービスに来られた日に毎回おこなっていただくと、それが習慣となります。
植物なども声掛けを行なうことでよりきれいになると言われています。
愛着を持って接することで、ただのレクリエーションではなく習慣として身についていくと思います。
⑪折り紙
ちょっとした空き時間で取り組むことができますね。
手先の運動にもなりますし、紙1枚から様々な物を形作ることができるので、季節を感じられる作品に挑戦するのもいいでしょう。
⑫クロスワードパズル
新聞などにも載っており、定期的に行なうのが習慣になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一言でクロスワードと言っても難易度も違い、種類も多いためその方に合わせて取り組みやすい物に挑戦していただけると、程よい脳トレになりますね。
⑬しりとり
ホワイトボードを活用し、進行状況を目で確認できるようにしながら行ってみましょう。
誰もが気軽に参加できますし、入浴の順番待ちの時間で行なうと入浴が終わって席に戻って来た方もすぐにゲームに加わりやすいですね。
⑭連想ゲーム
テーマを決めてそれに適した物の名前をどんどん挙げていただきましょう。
これもホワイトボードを使って進行状況が分かるようにするといいでしょう。
テーマはその季節にちなんだ物を選ぶのもおすすめですよ。
⑮トランプ
これもテーブルの上でお手軽に行なうことができますね。
神経衰弱や七並べ、ババ抜きなど様々な遊び方がありますね。
1テーブル単位で行なうと人数が多過ぎず、少な過ぎず、スムーズに進行できるでしょう。
⑯間違い探し
これもお手軽にできる脳トレです。
新聞に掲載されているようなものだと、ちょっと難しいかもしれませんので、もう少しやさしい間違い探しを何パターンか用意できるといいかと思います。
⑰手遊び
昔懐かしの童謡に合わせて手を動かす遊びですね。
その季節に合った童謡の手遊びを取り入れると、そこからも季節を感じられるのでおすすめですよ。
⑱クイズ
都道府県であったり、動物であったり特定のテーマにそったクイズを出題してみましょう。
全員が回答に参加できるように〇×式または三択のクイズにし、正解だと思ったところで手を挙げていただくのがいいでしょう。
⑲お手玉
席に座ったままのちょっとした時間でも楽しむことができる昔ながらの玩具です。
特に女性の利用者さんは得意な方が多いかもしれませんね。
⑳塗り絵
数年前に大人向けの塗り絵が流行ったこともあるため、塗り絵=子ども向けというわけではなく高齢者にも十分楽しんでいただけるものと言えるでしょう。
ただし、あまり難しい塗り絵だと細かいので見えづらく苦戦してしまうので、程々の難易度の物を提供しましょう。
インターネットでも複数の塗り絵を無料でダウンロードすることが可能です。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
午後に行なうレクリエーションと、朝に行なうレクリエーションには『違い』があります。
紹介していく中で何度か触れていますが、高齢者ご自身や周りの職員さんが見て目覚めているようでも、まだ高齢者の脳と体は目覚めきってない場合があります。
そんななか激しい運動などを行なうと、かえって転倒や怪我のリスクが高まってきます。
朝や午前中に行なうレクリエーションは、ご自分のペースでゆっくり行なえるものや指など小さな筋肉から徐々に動かしていくことで、脳と体を少しずつ起こしていくようなものにしましょう。