指先がなめらかに動いたり、細かな作業ができる、このことを専門用語で「巧緻(こうち)性」といいます。
指先には体のどの部分と比べても運動神経や感覚神経が多く存在します。
神経が多いということは何かに触る、手先の細やかな作業をおこなうことで脳の活性化にとてもよい効果があることはご存じだと思います。
この「巧緻性」をあげる、もしくは「巧緻性」を使うことによって認知機能の維持に役立ちますね。
今回は脳トレのなかでも楽しくおこなうことができる手遊びを紹介したいと思います。
遊び方や方法を詳しく説明した動画も一緒にのせていきますので、紹介した手遊びでわからないものがあったら、動画をみて参考にしてみてください。
目次
- 1 【高齢者脳トレ】おすすめ手遊びレクリエーション35選
- 1.1 ①あやとり
- 1.2 ②折り紙
- 1.3 ③お手玉
- 1.4 ④手拍子
- 1.5 ⑤リズムゲーム
- 1.6 ⑥むすんでひらいて
- 1.7 ⑦おちゃらかほい
- 1.8 ⑧茶摘み
- 1.9 ⑨幸せなら手をたたこう
- 1.10 ⑩大きな栗の木の下で
- 1.11 ⑪もしもしかめよ
- 1.12 ⑫シャボン玉
- 1.13 ⑬雨降り
- 1.14 ⑭魚名で数え歌
- 1.15 ⑮ずいずいずっころばし
- 1.16 ⑯指折り
- 1.17 ⑰指回し
- 1.18 ⑱グーパー体操
- 1.19 ⑲親指グーパー体操
- 1.20 ⑳数ずらし
- 1.21 ㉑鼻つまみゲーム
- 1.22 ㉒一人じゃんけん
- 1.23 ㉓鏡文字
- 1.24 ㉔輪ゴムくぐり
- 1.25 ㉕2拍子3拍子
- 1.26 ㉖ハンドスピナー
- 1.27 ㉗ジグソーパズル
- 1.28 ㉘おはじき
- 1.29 ㉙影絵
- 1.30 ㉚指スマ
- 1.31 ㉛アルプス一万尺
- 1.32 ㉜おせんべやけたかな
- 1.33 ㉝ふるさと
- 1.34 ㉞いとまき
- 1.35 ㉟ペン回し
- 2 さいごに
- 3 こちらのレクもおすすめ!
【高齢者脳トレ】おすすめ手遊びレクリエーション35選
①あやとり
昔から親しまれた手遊びのひとつです。
今の若い職員さんよりも上手な高齢者がいらっしゃるのではないでしょうか。
このあやとりは指先を器用に使いながら何を作るか考える必要がありますので、脳トレにピッタリです。
・東京タワー
・ちょうちょ
・ほうき
②折り紙
折り紙もあやとり同様に高齢者にはなじみ深いものです。
今の職員さんも病気の方のお見舞いなどで千羽鶴を折った経験はあるかと思います。
完成した折り紙は自宅に持ち帰り、記念として残していただくと、脳トレをした日の達成感や楽しさを思い出し、よい刺激になりそうです。
・ハート
・チューリップ
・カエル
③お手玉
お手玉も手先を使った脳トレとして非常に有効です。
いくつものお手玉を操るほかに、歌ったりすることで集中力も必要となります。
そして高齢者が子どもの頃に遊んでいたものですので、レクリエーションとしてもすぐに受け入れていただきやすいですね。
・わらべ歌
・3つお手玉
④手拍子
リズムに合わせて手拍子を打つこともよい脳トレになりますね。
皆さんが知っている歌でおこなうとよいでしょう。
⑤リズムゲーム
こちらはゲーム感覚でおこなえる脳トレです。
瞬発力と知識が必要になりますので、慣れるまではゆっくりとおこない誰もがよく知っているお題でやってみましょう。
⑥むすんでひらいて
高齢者も小さな子どもの頃にやったことがある方が多いと思います。
歌に合わせて手を開いたり閉じたりしていく手遊びです。
動きも単純なものが多く、はじめてリズム手遊びをされる方がいても導入しやすいです。
歌のリズムもゆっくり目なので、手先の運動が苦手になってしまった方でも焦らず一緒に参加できますね。
⑦おちゃらかほい
2人1組になってお互いの息を合わせながら遊びます。
このおちゃらかほいも昔からある手遊びですね。
ひとつひとつの動きは単純ですが、この手遊びには注意が必要です。
というのも、かなり速いリズムでこなすことができる高齢者がいらっしゃるということです(笑)
若い職員が一朝一夕でマスターしたスピードでは、高齢者に太刀打ちできないことがあります。
動画をみて体にしっかり動きをしみこませましょう!
「もう大丈夫!」と思ったその日、高齢者に勝負を挑んでみてください(笑)
⑧茶摘み
こちらも高齢者にはおなじみの手遊びですね。
茶摘みのさわやかな時期をイメージできるような軽やかな歌です。
しかし、これも「おちゃらかほい」と同様に高齢者が得意とされているもののひとつです。
しっかりと練習をして、高齢者と一緒に楽しみましょう。
最後までできたときの感動は忘れられないものになるでしょう。
⑨幸せなら手をたたこう
速いテンポの手遊びを続けて紹介しましたが、次はゆっくりとした手遊びです。
こちらは本来なら足を使った動作も入ってきますが、いろんな体の場所を使うことは脳にとってもよいことです。
難しいと感じる方がいれば手のみの運動をやってみてください。
⑩大きな栗の木の下で
この「大きな栗の木の下」では手先の運動は少なめになっていますが、上肢をダイナミックに使うことができる手遊びとなっています。
まだ手先を使った運動が難しい方がいらっしゃるときには、練習としてこの大きな栗の木の下でから手遊びを導入するとよいでしょう。
リズムもゆっくりで優しい歌になっています。
⑪もしもしかめよ
こちらも曲調はゆっくりです。
しかも曲も5番までありますので長丁場の運動ができます。
あまり歌詞とは関係のない手先の動きとなりますが、今回は片手のみで運動する動画と両手を使った動画を紹介します。
施設に来られる高齢者のレベルに合わせてどちらを参考にするか、職員さんで選んでおこなってみてください。
・もしもしかめよ(片手)
・もしもしかめよ(両手)
⑫シャボン玉
シャボン玉の歌詞に合わせて手遊びをおこないます。
シャボン玉や風などを手で表現して楽しそうな手遊びです。
そのなかでもしっかりと体操として考えられたところもあり、特にこの歌のなかで「お互いの指をあわせる→両手を握る」といった動きを続ける箇所は少し練習が必要かもしれません。
じっくりやっていきましょう。
⑬雨降り
こちらも「シャボン玉」と同じく、童謡を使った手遊びです。
グーパーの運動は手の血行をよくしたり、指先の筋肉だけでなく手全体の筋肉を鍛えることができるので、最後まで手を開くことを意識しながらおこなっていただきましょう。
また最後のグーチョキパーもリズム感が必要ですので、ゆっくりと練習してみてください。
⑭魚名で数え歌
指で1、2、3…と作っていきながらリズムに乗って手遊びをします。
数を数えながら魚の名前も思い出さなければならないので、手先の運動の他にも頭も働くよいリズム手遊びだと思います。
⑮ずいずいずっころばし
こちらも「茶摘み」などと同様に、高齢者にはなじみ深い手遊びですね。
そしてこれまで紹介した歌を使った手遊びとは違い大人数で遊べますので、皆さんで一緒に楽しく遊べるところがこの手遊びのよいところだと思います。
⑯指折り
親指→人差し指…と最後小指までを順番に折り曲げていく体操です。
手遊びとしてだけでなく、普段時間があるときに気軽にできます。
手順としては
手をパーにした状態から、親指一本を曲げてまた伸ばします。
同じ動作を人差し指…小指までおこない、次に反対の手でも同様の運動をおこないます。
中指、薬指、小指では難しいですが、他の指と一緒に曲げないように頑張ってみてください。
⑰指回し
両手の親指同士、人差し指同士…とすべての指のお腹をあわせてドームを作ります。
この体操で一番難しいのは中指と薬指を回すときです。
ちなみにこの中指、薬指、小指は一緒の筋肉によって動かされていますので、実はそれぞれを個別に動かそうと思っても、かならず他の指も少なからず動いてしまいます。
しかし今回は巧緻性を鍛える手遊びです。
「動かす」ということに意識して、高齢者にはあきらめずに頑張っていただきましょう。
⑱グーパー体操
手を握ったり開いたりする体操ですが、左右の手は反対の動きをします。
例えば左手がグーの時には右手はパー、といったようにします。
若い職員がおこなうと簡単に感じてしまう体操ですが、手の巧緻性や認知苦悩が低下した高齢者がおこなうととても難しい動作になります。
自分が簡単だから…とはじめから速いテンポでおこなわず、ゆっくりとはじめて周りの高齢者の様子をしっかり観察してください。
⑲親指グーパー体操
片方の手は親指を他の指の内側にいれたグー、もう一報の手は親指を外に出した状態のグーを作り、それを交互にやっていきます。
なかなか難しい体操です。
まずは動きになれていただくようにゆっくりと確認しながらおこなってください。
そして手をしっかりと開くことによって、手の筋肉をより鍛えることができます。
⑳数ずらし
両手を広げた状態から、職員の「1」の掛け声で右手親指を曲げます。
「2」の掛け声で右手親指の人差し指も曲げますが、今度は左手親指を同時に曲げます。
右左の手でずらしながら数を数えていき、最後の「11」では左手の小指を伸ばして最初の状態になるまでやります。
声に出して一緒に数えていただくとさらに脳トレとして効果が期待できます。
㉑鼻つまみゲーム
右手で鼻をつまみ、左手を交差させ右耳をつまみます。
この姿勢が初めの状態で、職員が「はい」の合図で、手を入れ替えます。
リズムよく繰り返すのがコツで、さらに一緒に「はい」と言っていただくとよいです。
㉒一人じゃんけん
相手のいるじゃんけんではなく、自分一人でおこなうじゃんけんです。
例えば司会の職員が「左手で負けてください」と負ける側の手を先に伝え、職員「じゃんけんぽん」の合図でいっせいにじゃんけんをしていただきます。
そのときグーチョキパーどれでもよいので左手が負ける様(例でいうと右手がグー、左がチョキ)にしてください。
少し落ち着いてゆっくり考えればわかるのですが、慣れてきたら指示してからじゃんけんを始めるまでを速くすると、さらに脳への刺激になります。
㉓鏡文字
やさしい問題ではまず右手で1、2…5までを横に一列書きます。
それを今度は左手で鏡文字で1、2…5までを書いていきます。
さらに難しくするためには左右の手で同時に、正しく1、2…5を書いてみましょう。
これの応用で右手は〇、左手で×を同時に書いていただく手遊びもあります。
この手遊びは大きく、ゆっくり書いていただく様にしましょう。
㉔輪ゴムくぐり
まず親指に輪ゴムをつけます。
他方の手を使わずに、親指にくぐらせているゴムを人差し指にもくぐらせます。
次にゴムを親指から外し、人差し指と中指にくぐらせ…と繰り返し、折り返して最後に親指まで戻します。
慣れてきたら競争をしても面白いですね。
㉕2拍子3拍子
片方の手は2拍子でまっすぐの線を書きます。
もう一方の手は3拍子で三角を書きます。
手によって別々の動きをすることはとても難しいですが、良い脳トレになります。
㉖ハンドスピナー
一時期話題になった玩具です。
手の上でくるくる回すだけのシンプルな玩具ですが、ちょっとした手の運動にもなり手軽に楽しめます。
話題性が高かった時期ではおもちゃ屋さん以外でも売られている程でしたので、現物を見たけど遊んだことのない方は多いのではないでしょうか。
㉗ジグソーパズル
ピースを指定された場所にはめるためには、指先でピースを掴む必要がありますよね。
さらに、はめる際に雑な作業をしてしまうとピースがずれたりするため、慎重に行なう必要もあります。
脳トレとしてもお手軽なのですが、あまり小さいピースでは高齢者の方にとってはかなり見えづらい可能性もあるため、程々の大きさのピースのもので行なえるといいでしょう。
㉘おはじき
これも伝統的な遊びの1つですので、特に女性の方は得意という方も見えるかもしれませんね。
慣れた遊びかと思いますので、ちょっとした空き時間に行なっていただくゲームとしてもおすすめです。
㉙影絵
手の重ね方の工夫や動きを用いて、手の影を動物などに見立てるものです。
簡単なものからちょっと難しいものまで、バリエーションも豊富にあります。
影絵を行う方、見る方に分かれてクイズをやってみても楽しいです。
㉚指スマ
この呼び方が定着したのは、「SMAP×SMAP」というバラエティ番組で紹介されてからであり、ゲームとしてはそれ以前から全国的に行われていたものです。
親をローテーションで行い、参加者は親の合図で任意の数の親指を立て、親は合図の時に宣言した数と参加者が立てた指の数を2回一致させると1抜けできるという流れになります。
ローカルルールもあるようですので、それについて話してみてもいいと思います。
㉛アルプス一万尺
2人で向かい合って行う手遊びの1つです。
この曲も得意な方は、かなり高速で行える場合もありますが、手遊びを楽しむことも大切ですので無理にそこまでの速度を求める必要はありません。
慣れてきたら徐々にテンポを上げるくらいの気持ちで気軽に取り組んでみてください。
㉜おせんべやけたかな
手をお煎餅に見立てて行なう手遊びです。
3人以上で行なえますので、賑やかな手遊びになると思います。
㉝ふるさと
みなさんご存知の「ふるさと」に合わせて行ないます。
ゆっくりとしたテンポで手を動かすことができるので、苦手な方でも安心ですね。
㉞いとまき
手先だけではなく腕を上下に大きく動かして遊べる手遊びになります。
ちょっとした上肢の体操としても、ゆっくりとしたテンポですので行ないやすいと思います。
㉟ペン回し
得意な方はかなり高速で回せますし、苦手な方は上手く回せずペンが落ちてしまいますよね。
何気ない動作に見えて手先の正確な動作が求められてきます。
ペンさえあればどこでもできるという手軽さはありますが、少々難易度が高めかと思います。
しかし、苦手な方は決して少数派と言うわけではありませんので、自分のペースで挑戦してみてください。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
冒頭にも触れましたが、手先には多くの神経が存在しています。
いわば手先は「第2の脳」です。
そして手先をよく動かす仕事をしたり、器用な趣味をお持ちの方は認知症になりにくいと言われています。
日常で手先を使う作業をおこなう機会があればよいのですが、高齢者にはそれがなかなかありません。
手先を動かす機会をあえてデイサービスで提供すること、そしてそれを楽しみながらおこなうことができれば、高齢者にとって脳トレが楽しみの1つになるのではと思います。
是非、実践してみてください。