皆さんの施設ではおやつ作りをレクリエーションに取り入れたことはありますか?
体操やゲームなど体を動かすレクリエーションは、施設内にある道具を準備したり、必要な道具がなければ施設内にあるもので工夫・工作しながら行なえますので、職員にとって手軽に提供できます。
しかし、料理を作るレクリエーションとなると人数分の材料を用意したり、料理に必要な道具を準備したり…と「いつもと違う環境」になりますので、少し敬遠しがちです。
ただ、よく考えてみると「いつもと違う環境」こそが、高齢者にとってはとてもよい刺激になりますよね。
今回は料理のレクリエーションのなかでも、おやつに関するレクリエーションについて目的や簡単おすすめのメニューをご紹介します。
手の込んだ料理だと少し作業量が増えてきて高齢者も疲れてしまうと思いますし、「おやつ」だと作業量も少なく済みます。
また、作った後はおやつの時間に一緒に食べることで、いつものおやつ時間と違った会話も弾みやすくなるのではないでしょうか?
まだおやつ作りレクリエーションを行なったことがないという方も、いつもと違ったレクリエーションを提供して、高齢者の皆さんに喜んでいただけたら嬉しいですね。
高齢者のおやつレクの目的は?
ではおやつ作りはどのような目的で行なうのでしょうか?
もちろん、「おいしいおやつを食べたい!」という最大の目的はありますが(笑)、高齢者が行なうことにどういった効果があるのかご紹介していきます。
①手先の運動
普段の体操レクリエーションではダイナミックな運動の種類はたくさんありますが、手先の細かな運動となるとそう多くはありません。
おやつ作りではまぜる、ちぎる、つまむ…など細かな運動を意識することなく楽しく行なっていただけます。
②様々動作を同時におこなう
食材を煮ている間に他の作業をしたり、粉を適当な量を振りかけながら手で混ぜたり…とその動きはとても複雑です。
そして普段運動量が減ってきている方でも昔料理が得意だった方であれば、若い頃から慣れ親しんだ動作というのは長い間残っていることが多いです。
普段のレクリエーションでは難しい「いくつもの動作を動じに行なう」ことがおやつ作りではできるかもしれません。
それだけでも脳への刺激になります。
③コミュニケーションがとりやすくなる
おやつは共同作業で行なっていきます。
参加するみなさんは料理が得意な方、苦手な方様々です。
「これはこんなやり方がいいよ」「私がこっちやるからあなたはあっちやって」など、気軽なコミュニケーションがとりやすくなります。
日頃から仲のよい方同士でグループを作りより仲良くなっていただくもよし!
普段あまり関わりのなかった方と一緒に作って、これからも会話のきっかけにしていただいてもよし!
とそんな自然な人間関係の構築ができやすいのもおやつレクのよいところですね。
喜びを感じることができる
おやつ作りの喜びはたくさんあります。
作る喜び、うまくできたときの喜び、誰かに「おいしい!」といっていただける喜び、様々です。
この喜びを感じることで、
「誰かのためにもっとおいしいおやつをつくってみよう!」と今後の自宅での生活に変化が生まれたり、「またデイサービスに来てみんなと一緒におやつ作りがしたい!」とデイサービスに来ていただく楽しみになります。
人は喜びを感じることができれば、それが元気に生きる力の源になります。
高齢者でも簡単にできるおやつの紹介
それでは高齢者にできる簡単なおすすめおやつを紹介していきます。
もちろん人それぞれの能力には差がありますので、グループ分けや役割分担は職員さんが手助けをしてあげてください。
①ホットケーキ
材料も少なく、種を混ぜた後はホットプレートで焼くだけですので簡単なおやつのひとつですね。
また、目の前で焼けていくのをみているだけでも楽しくなっていきますよね。
これだけでは簡単すぎる!という方には、フルーツなどを用意してカットしていただくこともできます。
もちろん刃物の管理は厳重に行なってくださいね。
②ゼリー
溶かしたゼラチンに野菜やフルーツの果汁を入れて、型に流し込めば簡単に完成しますね。
型の形を工夫したり、固まる前にカットしたフルーツを入れ込むなどアレンジのききやすい点も魅力です。
③クッキー
危険な器具を使うこともありません。
作業も粉を混ぜたり、生地をこねる、伸ばすなど簡単な作業ばかりです。
こちらも色んな形のクッキーを作っていただくことでその方の個性が出ますし、コミュニケーションのきっかけになります。
④かるめ焼き
砂糖と重曹があれば簡単に作れます。
また、焼いた後にあんこをいれてどら焼き風に、寒天を入れ込んできな粉などまぶしたり、様々なアレンジができますので、次のおやつレクのネタになりますね。
⑤焼き芋
ちょっと番外編のようになりますが、焼き芋も高齢者は喜ばれます。
たき火のできるところがあればみんなで火を囲んで待っている間も退屈しませんし、何より焼けるのが楽しみです。
⑥肉まん
コンビニに並んでいる中華まんシリーズもたくさん種類があって目移りしてしまいますよね。
そんな中華まんシリーズの中でも、定番である肉まんはフライパンを使って手作りすることもできます。
ちょっとボリュームのあるおやつになるかもしれませんので、サイズは1つあたりを少し小さめにしてもいいかもしれません。
⑦おはぎ
昔からある懐かしのおやつで、作った経験のある方も見えるのではないでしょうか。
きな粉や餡子だけではなく、黒ゴマなどをまぶしても美味しいですよね。
好みの味を試してみましょう。
⑧アイスクリーム
暑い夏に食べたくなるのは勿論ですが、寒い冬にコタツで食べたくなるという方も見えますね。
動画では抹茶パウダーを使っていますが、アレンジも可能なので色々な味を作ってみましょう。
⑨プリン
やわらかくて甘くて美味しいデザートですね。
市販の物も十分美味しいのですが、手作りするとこれもまた美味しいんです。動画はオーブンを使わないレシピなのでお手軽です。
⑩みたらし団子
お団子と言えば、みたらし団子を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
手作りなので、串に刺す必要もなく高齢者の方にも食べやすいですよ!
アレンジしてみたらし団子のタレではなく、餡子を載せたりしても美味しいのでおすすめです。
⑪わらび餅
夏になるとひんやりした美味しいデザートとして、コンビニでもよく見かけますよね。
黒蜜ときな粉の組み合わせがとても美味しいです。
あまり手作りできるイメージがないかとも思いますが、思った以上に簡単にできます。
⑫きな粉豆腐餅
高齢者の方にとってはきっと驚きの新体験になるのではないでしょうか。
なんと!あの、味噌汁の具の王道である豆腐が、きな粉餅になるんです!!
どんな味になるのか不安と期待が合わさったワクワクした気分で取り組んでいただけるメニューかと思います。
⑬アメリカンドッグ
お祭りの屋台や、コンビニのレジ前のメニューとしてもお馴染みですが普段はあまり食べる機会がないのではと思います。
少し甘めの生地と、ウインナー、そしてケチャップの相性がクセになりそうですね。
⑭卵ボーロ
優しい甘さがたまらない懐かしいおやつです。
市販の物では味わえない、焼きたてを食べることができるのも手作りの楽しみですよね。
⑮水ようかん
ひんやりして美味しい水ようかん、それに関する豆知識を1つ。
福井県の方にとっては当たり前なことではありますが、福井県では冬に食べるものだそうですね。
他の県の方は夏と言うイメージが強いと思いますが、冬にもアイスを食べる方がいることを考えると、特に不思議なことではないと思います。
福井県以外の方も、この機に冬に作ってみるのもいいかもしれませんね。
夏に食べても、冬に食べても美味しいです。
⑯五平餅
NHKの朝ドラ「半分、青い。」にも登場し、少し話題になった岐阜県の郷土料理です。
お米を使うのでお腹も膨れるため、おやつの時間に食べるのであれば少し小さめでも良いでしょう。
お祭りのメニューとしてもおすすめです。
⑰たこ焼き
お祭りの屋台のメニューとしても定番のメニューですが、タコは高齢者には噛みにくいかと思いますので小さめにカットしましょう。
中身をチーズ、ちくわなどお好みの具材にしてもパーティーみたいに楽しめますね。
⑱大福
柔らかくて甘い和菓子ですので、好きな方も多いでしょう。
イチゴや栗を入れても美味しいですよね。
つぶあん、こしあんのどちらでも美味しいので餡子も皆さんの好みで用意できると良いでしょう。
⑲フレンチトースト
喫茶店でも定番のメニューの1つです。
食パンは予め小さめにカットしておくと高齢者でも食べやすくなるでしょう。
お好みでホイップクリームなどをトッピングするのも良いですね。
⑳リンゴ飴
お祭りの屋台だとりんご1個丸ごと使ったりんご飴をよく見かけますね。
それだと美味しいのですが、量も多くて高齢者にはやや食べにくいのが欠点です。
しかし、予めリンゴをカットしておけば1口サイズで楽しむこともできます。
リンゴ以外にもイチゴやキウイを使っても美味しいですよ(*^^*)
㉑そうめんドーナツ
今回は意外な材料を活用したメニューです。
夏の昼食の定番でもあるそうめんですが、「飽きてきてしまった」だとか、「夏が終わる頃には余ってしまう」と言う方も多いのではないでしょうか?
そんなそうめんが、美味しいお菓子に変身する予想外なレクを楽しめますよ!
㉒餃子の皮のチュロス風
チュロスと言えば、映画館でも売られていることの多いお菓子です。
アメリカなどで親しまれている揚げ菓子ですが、今回のレシピでは餃子の皮を活用することでチュロス風のお菓子を作ることができますよ!(^^)!
㉓アップルパイ
パイは美味しいのですが、パイ生地を作るとなると手間もかかります。
しかし、春巻きの皮を活用することでその手間を短縮し、温かくて美味しいアップルパイを楽しむことができます。
㉔牛乳寒天
牛乳を活用した寒天のデザートです。
寒天ゼリーは好きでも牛乳寒天を食べたことがない方も多いかと思います。
ひんやりしていて、さっぱりしていて美味しいですよ(*^^*)
㉕チョコブラウニー
濃厚なチョコの味を楽しめるお菓子であり、バレンタインのおやつレクのメニューとしてもおすすめです。
ちなみに、ヨーロッパの伝承にはブラウニーという名前の妖精が登場します。
ブラウニーは人の家に住みつき、こっそり家のことを手伝ってくれる存在で、その姿は茶色い毛で覆われているとのこと。
それがこのお菓子の名前の由来と言われています。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
おやつ作りでひとつ注意しなければならないのは、その方のアレルギーです。
特におやつ作りでは卵などを使うケースがありますので、当日の参加者の禁忌となる食材を使用しないように注意しておこなってください。
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