デイサービスや施設ではレクリエーションの一つとして、ボールを使った体操やゲームを行なうことが多いと思います。
そもそもレクリエーションを行なう前に内容の計画や事前の道具の準備が必要です。
しかし、毎日高齢者のお世話や介護で忙しい職員さんは、その計画や準備を行なう時間が限られています。
介護業務に時間をかけたらその分レクリエーションの中身は薄くなってしまいますし・・・
レクリエーションにかける時間を増やしてしまうとその逆で…と皆さんジレンマに陥ることがあると思います。
今回ボールを使った体操やゲームはまず準備する物の1つがボール、そしてあとは必ずデイサービスや施設にはあるもので済みます。
また、ボールを使ったレクリエーションは高齢者の得意・不得意に注意していれば、みなさん楽しんでいただけると思います。
あと皆さんが考える必要があるのはその体操やゲームの中身です。
「それを悩んでいるんです…」という職員さんのために今回はボールを使った体操やゲームを、動画を使って紹介していきます。
動画を参考にしながら計画を立てることができますので、導入までのイメージがつきやすいと思います。
是非、皆さんのレクリエーションの参考になればと思います。
【高齢者向け】ボールを使ったレクリエーション【体操15選】
①ボールはさみ体操(大胸筋編)
ボールを胸の前で挟むことで大胸筋という胸の筋肉を鍛えることができます。
大胸筋を鍛えることで上肢を支え、より上肢の力を発揮することができます。
動画の前半に体操が紹介されています。
②ボールはさみ体操(広背筋編)
この運動で広背筋や僧帽筋といった背中側の筋肉を鍛えることができます。
これらの筋肉を鍛えることで円背を予防します。
円背はひどくなると呼吸や嚥下が難しくなりますので、特に高齢者には頑張っていただきましょう。
(00:58~)
③ショルダープレス
肩周りの筋肉を鍛えます。
肩周りの筋肉は上肢を上に上げる動作の時に肩周りの安定を図ります。
この筋肉を鍛えることで楽に腕を上げることができます。
④ボールリーチ
こちらの運動も広背筋を鍛えることができます。
また、スクワット運動(膝曲げ)をしっかり行えば、太もも周りの筋肉も同時に鍛えられます。
この運動は転倒と腰痛に注意しながら行ってください。
⑤手指折り
指折り体操などされたことがあると思いますが、ボールを使うことによって負荷をかけることができます。
動画では空気の抜けたボールを使っていますが用意できなければ、空気が入っていても少し小さめのボールを使って行なってみてください。
⑥ボールはさみ体操(内転筋編)
ボールを内腿に挟んで運動をすることで、股関節の内転筋を鍛えることができます。
股関節の内転筋は歩く際の足の安定性を高め、転倒しにくくなる筋肉です。
普段の運動では鍛えにくい筋肉ですので、しっかり鍛えましょう!
⑦ボールはさみ体操(大腿四頭筋編)
大腿四頭筋は歩く際に足をあげる筋肉です。
この筋肉が落ちるとちょっとした段差にもつまづき、転倒の危険性が高まります。
転倒すると…骨折ですね。
その後の暮らしが大きく変わってしまします。
こちらもしっかり鍛えましょう。
(01:32~)
⑧腹筋
腹筋は広背筋など背中の筋肉とバランスよく鍛えることで腰痛の緩和が期待できます。
また、太ももにボールを挟むことによって、先に紹介した内転筋も鍛えることができます。
⑨スクワット
スクワットすることで太ももの筋肉を鍛えることができます。
そして足の裏にボールを置くと、ボールをキープするために股関節の安定性が必要になりますので、股関節の柔軟性の改善が期待できます。
股関節が安定すると歩きやすくなったり、転倒したとしても骨折しにくくなります。
⑩ボールダンス
ボールを使って全身の柔軟性、筋力を鍛えていきます。
複合的な動きが多いですので、身体レベルの高い高齢者などでも転倒に注意して下さい。
はじめは座って行なうことをおすすめします。
⑪足の裏でボールを踏んで
床にボールを置き、そのボールを片足でぎゅっと踏んでみましょう。
足の裏の力を活用した運動であり、転倒予防の効果も期待ができます。
(2:32まで)
⑫足で踏んだボールで数字を描く
ボールを踏んだ状態からスタートです。
ボールを踏んだまま足を動かし、ボールで1~9までの数字を床に描くようにしてください。
手で数字を書くのとは感覚が違うので、どのように動かせばいいのか考えながらやってみましょう。
(2:33~4:46)
⑬8の字渡し
ボールを持ち、片足を挙げてその間をボールをくぐらせていきましょう。
ここでは膝を高く挙げるように意識しましょう。
座ったままとは言え、足を挙げる動作が負担になる方は無理のない範囲で行なうようにしてください。
(6:31~7:33)
⑭ボールでマッサージをする
手の先から肩までをボールで軽く叩いていきましょう。
力は入れすぎずに、気持ちいい程度の力加減で大丈夫です。
マッサージ単体として行なうのではなく、ボール体操の流れの最期に取り入れるのがおすすめです。
(7:34~8:13)
⑮横に投げてキャッチ
片手でボールを持って軽く投げてもう片方の手でキャッチしましょう。
遠くに投げるわけではないので、軽くボールで遊ぶような感覚で大丈夫です。
あまり運動っぽくは見えないかもしれませんが、しっかりとボールを投げる動作なので指先や腕の運動になっています。
(2:09~2:36)
【高齢者向け】ボールを使ったレクリエーション【ゲーム遊び15選】
①ボール落とし
準備するものはボール・ビニール紐・かごだけです。
座ってできますので車椅子の方でも参加でき、転倒の危険性が少ないのが嬉しいですね。
②バタ足ボール
箱いっぱいに入ったボールを足だけ使って、いくつ出せたかを競うゲームです。
楽しく足の筋肉と腹筋を鍛えることができます。
③ボール送り
チーム対抗戦です。
みんなで協力することで盛り上がりますね。
各曜日などでチーム分けしてこれまでの最高記録などを張り出しておくと、その日に行なう方がやる気になります。
④コップ起こし
動画では半分ほど切った紙コップを使ってゲームをしています。
集中力とコントロールは必要になってきますね。
⑤ボールキャッチ
はじめ慣れるまでの間、ボールの大きさは大きい方がよいと思います。
座位が不安定な方には手すりがある椅子を使うか、介助者が横についてから行なうようにしてください。
⑥ボウリング
動画では足を使って行なっていますが、足にマヒがあったり、動かすのが困難な方には手で投げていただきましょう。
ボウリング自体もみなさんから楽しんでいただけると思います。
⑦ボールタオルのせ
用意するものはボール、タオルとタオルがずれないようにするための重りです。
転がして行ないますので皆さん安全に参加できます。
⑧ボール回し
参加者が輪になって、リズムに合わせてボールを次の人に渡すゲームです。
歌ったりボールを操作したりと様々な複合的な動きがありますので、脳の活性化に良い運ゲームだと思います。
⑨ボール入れ
動画ではお手玉を使用していますが、ボールでも同様に遊ぶことができます。
遠くなるにつれ点数が高くなっていけば面白いですね。
⑩ビーチボールサッカー
ただ蹴りあうのだけでなく、足だけを使ってゴールまでの時間を競い合えばよりがんばれますね。
⑪棒サッカー
向かい合って椅子に座ってください。互いの足元の空間が棒サッカーのコートになります。
全員1本、新聞紙を丸めた棒を持っていただき、足は一切使わずにその棒だけを使ってボールを打って相手のゴールを狙うゲームです。
きっと熱い試合になりますよ!
⑫隙間入れ
用意する物はボール、カゴ、段ボールの板です。
段ボールの板をカゴにスロープをかけるようなイメージで配置します。カゴの一部が板で隠れるようにしておきましょう。
そのスロープに向かってボールを転がしていただき、そのまま上手くカゴの中に入れば得点。狙いが逸れたり、カゴの上を通過してしまうと失敗です。
狙いを定めることは勿論ですが、力加減も大切です。
⑬カウボーイゲーム
新聞紙などで大き目の輪っかを作り、それに紐をつけましょう。
西部劇のカウボーイが馬上で振り回して投擲するロープのように見えますよね。
今回はこれを活用してカウボーイ気分になれるゲームを行なってみましょう。
ルールは簡単。床に設置した、たくさんのカラーボール。これらに向かって輪っかを投げていただき、上手く輪っかに入れて引き寄せるというゲームです。
上手く入っても引き寄せる時にはみ出ることもあり得ますので、注意です。
⑭ボールタワー
カラーボールと、キッチンペーパーの芯を適当な大きさにカットした物を用意しましょう。
カラーボールの上にカットした芯を載せ、その上にカラーボール、その上にはカットした芯…その繰り返しでカラーボールを積み重ねていきます。
カラーボールだけではタワーはできませんが、間にカットした芯が入ることである程度安定しこれが可能になります。どこまで重ねられるでしょうか。
⑮的当て
お祭りのゲームとしても定番の1つである的当て。
狙った的に当てるのはなかなか難しいですよね。慌てずよく狙ってみましょう。
的は狙いやすいように基本は大きめに、その中にいくつか小さい物を混ぜる形にしましょう。
大きい的ばかりでは簡単に感じる方も、少し手ごわい的があることでより楽しめます。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
ボールを使った体操やゲームはこのようにたくさんあります。
皆さんの職場でも取り入れやすいのではないでしょうか。
また、オリジナルのルールを作ってみることもおもしろいですね。