みなさんは特養(特別養護老人ホーム)と聞くとどのような施設を想像し、どの程度の介護が必要な高齢者が入所されているのか想像はつきますか?
自宅から通うデイサービスやデイケア、同じ入所系の老人福祉施設や老健などと比べると身体・認知機能状態は低下されている方が多いかと思います。
またそのような方の楽しみとはどのようなでしょう?
睡眠、食事、入浴…などでしょうか。
自宅などに住んでいる方たちと比べて、生活の刺激や生きがいが少し感じにくい環境であるかと思います。
そんな特養に入所されている高齢者の楽しみの一つが『レクリエーション』ではないかと思います。
しかし特養に入所されている高齢者は、元気な高齢者に提供しているレクリエーションをおこなうには少し難しいかもしれません。
できることが限られているからといって何も提供しないのでは、そこに入所している高齢者の生きがいや楽しみは生まれてきません。
また少しでも身体機能や認知機能面を維持もしくは改善したいと考えている職員さんは多いです。
そこで今回は特養に入所されている高齢者向けの簡単なレクリエーションをご紹介します。
ぜひ参考にして、少しでも特養に入所されている高齢者の刺激や楽しみになったら嬉しいです。
目次
特養(特別養護老人ホーム)でおすすめのレクリエーションネタ【10選】
①歌
聴覚は人間の感覚のなかでも一番最後まで残る機能の1つです。
歌を聴いていただくだけで聴覚の刺激になりますし、歌える方がいらっしゃればもちろん歌うことで呼吸筋を鍛えたりすることができます。
何より歌は聴いているだけでリラックス効果もあります。
選曲はできるだけ聴いている方の好きな音楽をかけることが一番良いのですがその情報が無ければ、青春時代の歌謡曲や子どもの頃に聴いたであろう童謡などが聴きやすいかと思います。
②体操
体操といってもデイサービスに通われる高齢者のようにアクティブな動きは難しいかもしれません。
バンザイ(両肩関節の挙上)や手首ぶらぶら(手関節の屈伸)、グーパー運動(手指の曲げ伸ばし)…など1つの運動をできるだけ単純化することがよいと思います。
できない方にはスタッフが介助してあげることで、できるだけ参加していただきましょう。
しかし関節の可動域などに制限がある方もいらっしゃいますので、医師や理学療法士さんにアドバイスをいただくとよいでしょう。
③ホワイトボード
ホワイトボードは視覚的な刺激はもちろん、問題文などを書いてとどめておくことができますので、記憶力が低下されているような高齢者にもレクリエーションとしておこなうことができます。
レクリエーションの中身としては文字の並び替えゲームや文字の穴埋めゲームなど簡単なお題からおこなうのがよいでしょう。
そこからお話が弾むこともありますので、そのときはゲームの進行を1度止めてお話をみんなで楽しんでください。
④伝言ゲーム
伝言ゲームといっても、次にバトンタッチする方の手を握り、相手の目を見て言葉をお伝えするゲームです。
本来ならば一番最初の人と最後の人で正しく伝わっているかを競うゲームですが、ここではそんなことは気にしません(笑)
目的は皆さんとコミュニケーションを図っていただくことです。
「こんにちは」「今日はいい天気ですね」「あなたはキレイですよ」…言葉はなんでもいいんです。
しっかり手を握って、思ったことをしっかりと伝えてください。
⑤オセロゲーム
手のひらサイズのオセロ板を段ボールなどで50枚ほど用意します。
2チーム(白色チームと黒色チーム)に分かれ、オセロ板をテーブルの上にバラバラに置いていきます。
職員の「用意はじめ!」でオセロ板を自分のチームの色にひっくり返していきます。
制限時間内により多くオセロ板が自分のチームの色側になっているかを競います。
⑥しりとりゲーム
単純なしりとりゲームですが、参加者のレベルに合わせて制限を設けるといいですね。
例えば…「3文字のみ」「5文字までの言葉だけ」「食べられるものだけ」などです。
前に言った、言ってないとならない為にホワイトボードなどに記入していてくださいね。
⑦〇文字言葉
例えば「あ」から始まる言葉を順番に言っていただきます。
「あんこ」「甘酒」「赤ちゃん」…何でも構いません。
もし言葉に詰まってきたら、職員さんが何かヒントを出してあげてください。
⑧マルバツゲーム
職員さんが出題したことに〇か×かを答えていただくものです。
例えば、〇であれば右手を、×であれば左手を挙げていただくように説明します。
その後に「今の季節は秋である」などはじめは簡単な問題から出して、徐々に難しくしていってください。
⑨新聞破りゲーム
用意するものは新聞紙のみです。
新聞紙を破っていきますが、新聞紙が切れずに一度で一番長く破ることができたかを競います。
集中力と手先の運動になります。
⑩ボーリング
ボールとペットボトルなどで作ったピンを用意します。
何本倒せたかを競います。
激しく倒れるものでしたら、よりストレス発散になりますね。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
特養の高齢者にも提供できる、簡単なレクリエーションを10種類紹介しました。
特養に入所されている高齢者の身体・認知機能レベルも様々ですので、皆さんの働いている特養のみなさんにあったレクリエーションを提供してみてください。
そして簡単なレクリエーションは職員が少し物足りなさを感じてしまいがちですが、提供する職員さんが楽しくなさそうにやっていたら、かならず参加者にも伝わります。
まずは職員さんが楽しむ気持ちを忘れないでくださいね。