(※好評につき、2019.1.23に15選→21選に変更しました)
レクリエーションで体操と聞くと、皆さんはなにを思い浮かべるでしょうか?
定番のラジオ体操や、それから派生してリズム体操などでしょうか。
今回は体操レクの1つ、『棒体操』について紹介していきます。
目次
そもそも棒体操って何?高齢者への棒体操の効果は?
棒体操はその名の通り『棒を使った体操レクリエーション』なります。
棒体操のメリットは、無理のない関節可動域で行なうことができる点にあります。
一定の範囲内で運動をおこなうことができますので、高齢者にとって負荷がかかりすぎない程度の運動が可能になります。
片麻痺や骨折などで筋力や関節可動域に左右差がある方も、健側(元気な方の腕)で患側(麻痺・怪我をしている腕)をリードすることができます。
そうすることで患側だけでは難しい運動も、健側の補助付きとはなりますが、健側とほぼ同程度の運動をおこなうことができますし、補助の職員さんがいなくても自分でリハビリをおこなうことができるようになります。
棒体操と聞くと杖を使っておこなうことを想像してしまいますが、新聞紙などを丸めることで同じような棒ができますので、誰でも棒体操に参加できるというわけです。
用意する棒の太さは手で握りしめられるくらい、長さは50~60cmあれば充分です。
ここからは具体的な体操・そのやり方・効果を目的別で紹介していきますね。
【高齢者向け】レクに最適なおすすめ棒体操!!21選
お勧めの棒体操を『目的別』で紹介していきます。
【転倒予防5つ】
ここで紹介する転倒予防とは体のバランス能力の維持・改善を目的とした体操になります。
一言でバランス能力といっても、それを構成するものはたくさんあります。
足底からの感覚や位置覚、目が見えているか、脳の空間は把握能力、関節の柔軟性などです。
ここでの棒体操はバランス能力に関する複合的な動作を鍛えていくことになります。
①股くぐらせ運動
本来は立位でおこなうことで効果がありますが、普段から立位バランスが不安定な方には座っておこなっていただくようにしてください。
立位から片方の足をあげ、その太ももの下から棒をくぐらせます。
片方の手に持った棒をもう片方の手に渡す、といった動作です。
②8の字運動
バスケットボールをされたことがある方にはイメージしやすいと思います。
股を開いて立っていただき、股をくぐらせながら8の字に棒を回していきます。
こちらも難しい場合には座っておこなってください。
座った場合には、足の脛あたりで8の字を描くようになるかと思います。
(1:12~)
③両足まわり運動
立位の状態から膝の周りで棒を回していただきます。
中腰の姿勢になりますので、こちらも転倒には十分に注意をしてください。
(2:38~)
④足先タッチ
座った状態で行ないましょう。まずは右足を伸ばして挙げます。
その状態で右手に持った棒で、右の足先を軽くタッチします。これを数回繰り返したら、次は左で同じ動作を行なってください。
シンプルですが、太ももを鍛える効果が期待できます。
⑤膝挙げ
今度は股関節を鍛える効果が期待できる運動になります。
座った状態の膝の位置よりも少し上あたりで棒を構えます。その棒を目掛けて片膝を挙げます。これを左右で繰り返していきます。
無事に膝を挙げることができたら、少しずつ棒の位置を高くしていきます。
しかし、無理はしないように自分の状態に合った位置で行なうように注意が必要です。
【姿勢矯正(柔軟性)8つ】
高齢者になると円背になりやすい傾向にあります。
円背には背骨の骨折(圧迫骨折やいつの間にか骨折など)も原因の1つですが、そのほかにも筋力の低下によるものもあります。
円背になると最悪の場合食べ物が飲み込めなかったり、呼吸ができなくなったりと生きていく上で最低限必要な能力が損なわれてしまう恐れがあります。
また、「体幹」という言葉をご存知でしょうか?
頭・腕・足を除いた全ての部位を指しています。インナーマッスルとも言われており、体の深層部にあるため筋トレで明らかに目に見えるような形で鍛えやすい筋肉ではありません。
しかし、体幹を鍛えることこそが姿勢の維持にも繋がります。ほかにも、バランスの向上や内臓の保護など健康的な生活を送る上で欠かせない効果が期待できます。
棒体操はそんな体幹を鍛える効果も期待できるということです。
①バンザイ
棒の両端を持ってできる高さまでバンザイをしましょう。
このとき胸を張ることが重要です。
円背がひどい方は棒が上ではなく前方にいってしまいますので、まずは胸を張ることを心がけていただくようにしてください。
②バンザイからの体曲げ
体幹の横側を走る筋肉のストレッチの効果もあります。
(1:39~2:02)
③体ひねり
体をひねる動き(回旋動作)は高齢者が苦手な動作の1つです。
この動きが悪くなると、柔軟性がなくなり圧迫骨折の原因となります。
パーキンソン病を持っている方にもこの動作有効ですので取り入れてみてください。
(1:18~1:37)
④剣道
棒を振り上げたときに胸を張るよう注意してください。
余裕のある方は踏み込みも加えてみましょう。
バランスの練習にもなります。
(1:06~1:17)
⑤前屈
ふくらはぎのストレッチの効果があります。
ふくらはぎが固くなることも円背になる遠因になります。
動画では棒を持っていませんが、注意点は一緒ですので参考にしてください。
(0:44~)
⑥ハンドル
棒の両端をもって、車のハンドルを回すようにしていきます。
手首と肩周りの柔軟性を鍛えていきます。
⑦手首曲げ
こちらも手首の運動になります。
これが全てではありませんが手首の関節が硬いと、転倒して手を地面についた際に骨折してしまう恐れがあります。
(2:02~2:15)
⑧棒投げ
棒を投げるという運動は、ボールのように上手く狙った場所に飛ばすのが難しいものです。
当然、ボールを投げるのとはまた違った動きになるため、違った筋肉を活用することにもなります。
棒を投げるという普段は経験することがないであろう動き。それも立派な体操になるのです。
どうせならゲーム感覚で楽しんでしまおう、ということで目の前の箱に入れるように狙って投げてみましょう。
【認知症予防5つ】
今回紹介する認知症予防の運動は、『周りに人がいないか』確認してからおこなうようにしてくださいね。
①両手キャッチ
まずは両手で取ることからはじめていきましょう。
両手で上に投げた棒を両手でキャッチします。
タイミングが重要になりますので、脳の活性化に効果があります。
②片手キャッチ
両手キャッチよりも難しくなりますので、より高度な認知力が鍛えられます。
③目を閉じてキャッチ
上記2つの棒キャッチに慣れてきたところで、これに挑戦してみましょう。
難易度は今までの物よりも高くなっています。ポイントとしては棒の長さをイメージすることです。
そのタイミングで握ればキャッチできていたか、体に染み込ませた感覚を最大限に活用してみてください。
④棒立て
野球やソフトボールの経験者はバットなどでやったことがある方は多いと思います。
棒を手のひらで立てて倒れないようにしてください。
⑤左右でキャッチボール風に
棒を横に投げ、もう片方の手でキャッチ。これを何度か繰り返していきましょう。
この動作もボールで行なったことがある方は多いかと思いますが、棒では初体験の方が多いのではないでしょうか。
単純な動きではありますが、簡単な分ちょっとした時間にも取り入れやすいですね。
【リラックス3つ】
さいごにリラックスのための棒体操をご紹介します。
①深呼吸
体操の際には必ず行なうものですよね。
今回は深呼吸の際に手を挙げる動作があるかと思いますが、それを棒を両手で持った状態で行なってください。
ちょっとした肩の体操も兼ねて行なうことができます。
②肩たたき
棒体操の最後におこなうと良いかもしれません。
棒を持った反対側の肩を叩いてください。
③肩振り
肩周りの筋肉のリラックス効果があります。
棒を持つ手にだけ力を入れているイメージで、あとは体の力を抜いてぶらぶらとさせてください。
(3:29~)
以上、高齢者向けお勧め棒体操15選でした!
棒体操は簡単で、楽に行なえる体操の1つです。
1度だけではなく継続しておこなっていただくことで効果を発揮していきますので、定期的にまたは自主練習などでおこなうようにしてください。