今回は、高齢者におすすめの腹筋トレーニングをご紹介します。
目次
腹筋トレーニングの効果
腹筋というと学校で行われたスポーツテストで時間内に何回できるかという、あの項目を思い出す方も多いのではないでしょうか?
その腹筋ですが、高齢になってからでも鍛えるメリットは十分にあります。
まずは、姿勢改善に繋がると言うことです。背中が曲がっている悪い姿勢を指す言葉として猫背というものがありますよね。若い世代の方もパソコンを仕事で活用する時間の増加などで猫背傾向の方が増えています。
姿勢をよくするためには背筋を伸ばす、つまり背中の筋肉が姿勢を保つのに大切なのが分かりますが、じつは腹筋も姿勢を保つのに重要な筋肉なんです。背筋だけを維持するのでは姿勢の改善としての効果は不十分なのです。
また、代謝を上げる効果があるため太りにくい体を作ることにもなりますし、お腹周りの冷えの解消にも効果を期待することができます。便秘に悩まされている方はその改善策に繋がる方法の1つとしても取り入れても良いでしょう。ただし、腹筋だけをしたからと言って必ずしも効果があるとは言い切れないことはご理解ください。
今回はそんな腹筋の中でも椅子に座ったまま行うことができるものをご紹介します。是非デイサービスなどの施設でも取り入れてみてください。
腹筋トレーニングをするときの注意点
今回は椅子で行う腹筋と言うことですので、寝転がる程のスペースがない場所でも行えるメリットがありますが、椅子で行うがゆえに気を付けて頂きたいポイントがあります。
それは、椅子からの転倒。バランスを崩し椅子からの転落で怪我をするリスクがあるため、ひじ掛けに掴まるなどしてバランスを保てるように注意しましょう。
職員も椅子での腹筋運動を行うのに危険な姿勢でないか、利用者さんの姿勢を必ず確認しましょう。
また、腹筋を鍛える運動ではありますが、足を上げ下げする動作も含まれてきますので骨折などによる運動制限がある方がいないかの事前の確認や、足の痛みがある方は無理に行ってしまわないような声掛けや見守りも重要です。
そして、椅子の上で行う腹筋運動であっても負担をかけすぎると怪我に繋がったりと逆効果になりかねません。無理なく行うこと、それが運動を適切に行うにおいて欠かせないポイントです。
【高齢者向け】椅子に座ったままできる腹筋トレーニング 7選
①息を吐きながら足を伸ばす
椅子の背もたれから少し背中を離して行いましょう。
座面に両手をつきます。両足を伸ばし、息を吐きながら曲げる。伸ばして、また息を吐きながら曲げるといった動作を繰り返していきましょう。
動作としては簡単な動きではありますが、高齢者の皆さんは動画と全く同じようにしようと硬くならず、無理なく動かせる範囲で行ってみてください。簡単とは言ってもこれに関しては高齢者が行う場合は、比較的自立度の高めの方向けの運動かもしれませんね。
(0:37~1:27まで)
②少し前に体を倒す
腹部に軽く手を当てましょう。そのままの姿勢で軽く体を前に倒すようにします。とは言っても屈む姿勢を取るわけではなく、体を沈み込ませるようなイメージで行いましょう。
座ったままできる腹筋運動の中でもかなり手軽に行うことができる体操になっていますので、ご自宅での日常生活の中にも真っ先に取り入れやすいと思います。腹筋の上部を鍛える効果が期待できます。
(0:00~1:35)
③足を上げ下げする
椅子に浅く座った状態で、椅子のひじ掛けを持ってください。そのまま両足の上げ下ろしを繰り返します。
この時に注意する点としては足は下す際に床に足の裏をつけず、浮かしておくことです。もう1つの注意点は背もたれに持たれかかってリラックスした姿勢になりすぎないことです。足を上げる動作があるので、下肢の痛みには注意しつつ行いましょう。
腹筋の下部を鍛える効果が期待できる運動になります。
(1:35~)
④足と腕の力を両方使って
まず座ったまま、片足を上げます。そして上げた足の膝を両手で抑えつけるようにして、床に足をつかせようとするイメージで押してください。
しかし、その足は床につけてはいけません。足も負けじと上に上げようと力を込めましょう。
この姿勢を7秒間キープしてみてください。単純な動作ではありますが、これも続けていくことで効果が期待できてきます。膝を痛めている方は注意しましょう。
⑤背もたれも使って
両手はそれぞれ反対の肩に添えます。腕をクロスさせるような姿勢ですね。
そのままの姿勢で息をゆっくり吐きながら、背中を背もたれの方に近づけていきます。そして元の姿勢に戻り、またゆっくりと息を吐きながら背中を背もたれに近づけていく。この単純な動きの繰り返しではありますが、腹筋の運動にはなっています。
姿勢だけ見ると床で行う一般的な腹筋運動に若干近い物にも見えますね。
⑥体をひねって
背筋を伸ばして座り、両手を頭の後ろで組みます。その姿勢のまま体を右に捻りましょう。
単純な動作ではありますが、お腹の筋肉に意外と負荷がかかっているのを感じられるのではないでしょうか?
一度最初の姿勢に戻り、次は左に体を捻ってください。これの繰り返しでも腹筋運動としての効果は期待することができます。
⑦踵を触るイメージで
姿勢よく座ります。
まずは右に体を倒し、右手で右足の踵を触るようなイメージで横に体を倒します。一旦元の姿勢に戻り、次は左に体を倒し、左手で左足の踵を触るイメージです。届く範囲までで構いません。
バランスを崩してずり落ちないように注意しつつ行いましょう。腹部の横側の筋肉の運動としての効果が期待できますよ。
以上、高齢者におすすめの腹筋トレーニングでした!
さいごに
いかがでしたでしょうか?
椅子に座ったままでも腹筋を鍛える方法はこのようにいくつかあります。椅子の上で行える体操であるため畳の部屋がないお宅でも取り入れやすいですし、当然施設で何人も同時に行うのにも適しています。
職員さんも利用者さんの皆さんが無理なく腹筋を椅子の上で鍛えられるように適切な声掛けをしつつ、腹筋運動だけを目的として取り入れるのではなく、椅子に座って行える体操の一環として取り入れるようにしましょう。