回想法とは心理療法の1つです。
昔の思い出を語り合ったり、懐かしの音楽や写真、道具などに触れることで脳が刺激されるというもので、認知症高齢者に対しても行われます。
今回はそんな回想法を取り入れたレクリエーションをご紹介します。
ただし、この回想法レクには注意点がありまして、プライバシーに関わる面もあるため無理に聞き出そう等とはしてはいけません。
目次
【デイサービス】高齢者向け!!回想法を活用したレクリエーション10選
①懐かしの歌を使って
音楽は老若男女問わず、いつも身近にあるものです。
それは私たちだけではなく、高齢者のみなさんも同じです。苦しい時も楽しい時もそばにあったであろう懐かしい音楽を使ったレクリエーションです。
みんなで一緒に歌うだけでも良いですし、歌に合わせて体を動かす体操をするのも良いでしょう。
このような運動や歌を歌うということは、普段から取り入れている施設も多いでしょうが、記憶に残る音楽を使ったレクリエーションは親しみやすい回想法と言えます。ただ聴くだけでも脳の刺激になるので楽器演奏のボランティアを招くなども有効と言えます。
②話をする
話を聞くと言うと厳密にいえばレクリエーションとは異なってくる印象を持つかもしれません。
しかし、これは個人への回想法と言えます。寝たきりなど体の状態によって、普段のレクリエーションに参加しづらい方にも使える回想法です。
例えば、昔の馴染みの道具やおもちゃ、その当時の流行などについてその方に尋ねます。
そこからそれがどのようなものかという話から、それについてどんな思い出があるのか、といった具合に話を膨らませていくのです。集団ではなく個人の話をしっかり聞くことができるという特徴があります。
③懐かしのクイズ
高齢者の皆さんが親しんできた音楽や道具、それらから連想できるキーワードをいくつかピックアップしておきます。
それらのキーワードを上げていき、時には音楽や写真を交えていきます。そして、そこから連想できる音楽であったり、道具であったり、人物などを当てて頂くゲームです。
こちらの昭和クイズもおすすめです。
④テレビ回想法
アメリカの精神科医が提唱したと言われる回想法です。
テレビをつかい懐かしいドラマやアニメなどの番組を流して、それを見て頂きます。それにより意欲の維持・向上を図るとされています。
ちょっとした時間で懐かしい時代劇などを流している施設もあると思いますが、それはすでにテレビ回想法に当てはまるかも知れません。
⑤料理の材料は何?
食材の写真やイラストがかかれたカードを用意します。料理名を1つ挙げて、そのカードの中からその料理に使う食材を選んでいただくゲームです。 中には普通は使わないであろう食材を混ぜておきます。
「この中には無いけど、うちは〇〇を使っていたよ」などと過去の記憶を頼りに、その方の生活で身近にあった食事の話にも発展することもあるでしょう。
食事に関する思い出話にも発展しやすいです。
⑥記憶のトレーニング
クイズ形式で今朝のことや昨日のことを簡単に語ってもらうゲームです。
「今朝の朝食は?」「昨日はどんなテレビ番組をみましたか?」など、日常生活の中で身近なことを振り返って頂きます。ちょっとした脳トレとしても良いでしょう。
⑦グループ回想法
先に述べた個人を対象にしたものではなく、グループを対象にしています。
少人数のグループを作ります。やりやすい方法の提案としては、テーマを書いたカードを複数用意しシャッフルし、順番に引いてもらい、そのカードの書かれたテーマについて経験や思い出を語って頂くという方式です。
その思い出からグループで話を膨らませるのも良いですが、皆さんに主になってやってもらえるように時間配分は必要ですね。
⑧実践
昔懐かしのおもちゃや道具を用意し、それを使うところを実際に見せて頂きます。
お手玉であったり、おはじきであったり、用意しやすいおもちゃもいくつかあると思います。
それらに関する思い出話を聞きながら、懐かしの道具に実際に触れることで脳の刺激にもなります。
⑨連想ゲーム
音楽であったり、俳優や女優であったりとテーマを決めます。
そのテーマに合わせて高齢者の皆さんが若い頃に流行った音楽や、活躍した人物の名前などを順番に挙げて頂くゲームです。
テーマに選んだもののいくつかは実際に関連する音楽や映像などを用意できると良いかもしれません。
⑩回想カルタ
手作りのカルタを用意します。昔懐かしの映画や音楽、ヒーローなどの写真やイラストを用意しておき、それに関連する分を読み上げ当てはまるカードを取って頂くという形式で行います。
基本ルールはカルタですので、とっつきやすい方法でもあると思います。
動画の例のように歌詞の一部を読み上げ、それに対応する曲名を取って頂くという方法はかなり親しみやすいカルタになるのではないでしょうか。
以上、回想法を利用したデイサービスレクリエーション10選でした!!
さいごに
いかがでしたでしょうか?
回想法と聞くと少し難しそうに見えるかも知れませんが、実際には高齢者の皆さんに懐かしいものに触れて頂く、それについて語っていただく。
そう考えるとある程度のアレンジもできると思います。
しかし、冒頭でも述べたように個人情報でもあり語りたくないという方も居てもおかしくはないためその辺りへの配慮は必要です。
若い世代はスマートフォンやテレビゲームに親しんできていますが、この世代が高齢者になると、それらが回想法に用いられるようになるかもしれないと考えると、その人が生きた時代によって変わる回想法の面白い点だと思えてきますね。