皆さんは伝言ゲームで遊んだことがあるでしょうか?
手軽に大人数で楽しむことができるのが魅力のゲームですよね。
一見簡単そうには見えるのですが、これが意外と難しいもので、「最後の人まで伝わったかと思ったらとんでもない内容に変わって伝わっていて大笑いした!」なんて言う経験をした方も少なくはないでしょう。
今回は、そんな大人数で楽しめる伝言ゲームについて、高齢者がおこなうからこそ取り入れたい工夫も合わせてご紹介していきます。
目次
伝言ゲームの高齢者への効果
まず、伝言ゲームはどのようなゲームなのか改めて確認してみましょう。
伝言ゲームのやり方
- 最初の人にお題を書いた紙を見せ、回収します。
- 先頭の人は、その内容を次の人にだけ聞こえるように伝えます。
- 「前の人から聞いた内容を一言一句間違えないように伝える」を繰り返していきます。
- 最後の人が聞き取ったお題を発表!
- この時点で正しくお題が伝わっていれば成功。少しでも間違っていれば失敗となります。
つまり伝言ゲームは、「正確に聞き取る」「正確に覚える」「正確に伝える」の流れを全体で繰り返すゲームと言えます。
短期記憶を活用したゲームであるため、脳への良い刺激となるため脳トレの1つとしても効果が期待できるでしょう。
実際には、「一言一句間違えないように伝える」。
これがポイントにはなりますが、施設でおこなう場合はそこまで厳しいルールにしなくても、概ね合っていれば正解にするくらいでいいでしょう。
高齢者向け!!おすすめ伝言ゲーム【5種】
ここでは、伝言ゲームにどのようなバリエーションが考えられるかをお伝えしていきます。
①シンプルな伝言ゲーム
みなさんが一番イメージしやすいのが、耳打ち形式でしょう。
口頭で伝えていくのは良いのですが、高齢者の場合は聴力が低下しているため小さい声ではかなり聞き取りづらい方も珍しくはありません。
かと言って、大きな声だと他の方にも聞こえてしまい伝言ゲームとしては成り立ちません。
そこでちょっと一工夫。糸電話を用意し、それを活用してみましょう。
それであれば、多少は聞こえやすくなりますし、次の人意外には聞こえにくくなります。
②文字で伝言ゲーム
口頭ではなく、文字で伝えるタイプの伝言ゲームです。
①最初の人に一定時間お題の紙を見せてから回収し、覚えたものをメモしていただく。
②最初の人は次の方に自分のメモを一定時間見せて回収する。同じように覚えたものをメモしていただく。
これであれば、耳が聞こえづらい方も参加しやすくなります。
しかし、手が動かしにくい方にとっては難しいのは欠点ですね。
③背中に文字を書いて伝言ゲーム
ちょっとくすぐったいのですが、伝言の内容を相手の背中に指で文字を書くようにして伝えていくタイプになります。
あまり長文だとくすぐったくてあまり集中できないかと思いますので、短文でおこなうのがおすすめです。
また、漢字は使わず平仮名またはカタカナのみで統一するとやりやすいです。
(例:ちらしずし、かたたたき、オレンジ、パソコン など)
④ジェスチャーで伝言ゲーム
お題をジェスチャーで伝えていきます。
ただし、長文をジェスチャーで表現するのは難しいため単語を伝えていく形にするといいでしょう。
(例:野球、サッカー、料理、ゴリラ など)
この形式の場合は、自分の前の人がジェスチャーをするとき以外は目隠しをしていただくのがいいでしょう。
どのように動けば相手に上手く伝わるのかを考えながらジェスチャーをするのも、脳にとって良い刺激になりますよ。
⑤イラストを描いて伝言ゲーム
イラストを描いていただき、それを次の方に一定時間見せます。
前の方の絵を見て覚えたイラストを自分も描き、次の方に伝えてきます。
イラストが苦手な方も見えるので、イラスト自体は難易度の低いもの、デフォルメしたものなどをお題として取り上げるといいでしょう。
(例:リンゴ、バナナ、ネコ、ウサギ など)
伝言ゲームのお題の一例
ここからは伝言ゲームのお題の例をいくつかご紹介します。
ここで紹介する例を使う場合、「シンプルな伝言ゲーム」「文字で伝言ゲーム」で使うといいでしょう。
先にも述べましたが、3~5の伝言ゲームの場合は単語を伝えていく形の方がやりやすいため、これらのお題は避けた方が望ましいです。
そのため、3~5の伝言ゲームの場合は、各項目内で紹介した例を参考にやりやすいお題を探すと良いでしょう。
【お題例:昔話】
①桃太郎は、犬・猿・キジをお供に連れて鬼ヶ島に鬼退治に行きました。
②浦島太郎は、助けた亀に乗せてもらい竜宮城に行きました。
③金太郎は熊と相撲をとって、勝ちました。
昔話である「桃太郎」、「浦島太郎」、「金太郎」の物語の内容の一部です。馴染みのあるお話の内容であるため、覚えやすいのではないでしょうか。
【お題例:オリンピック】
④2度目の東京オリンピックは2020年開催だ。
利用者のみなさんにとっては2度目の東京オリンピックになりますね。東京オリンピックが目前となり、今から楽しみですね。
【お題例:早口言葉】
⑤東京特許許可局
⑥隣の客はよく柿食う客だ
⑦赤パジャマ青パジャマ黄パジャマ
これらは有名な早口言葉の一例です。早口で3回言うのは難しいかと思いますが、ゆっくりでも良いので相手に正確に伝えるために1回言えば良いだけなので、気軽に取り入れてみましょう。
【お題例:オレオレ詐欺】
⑧詐欺の電話が増加しています。怪しい電話はすぐには信じず必ず誰かに相談しましょう。
ちょっと長めの文章ではありますが、高齢者にとっては、特に独居や高齢世帯の方にとっては他人事ではない話です。
特に年末年始は高齢者を狙った詐欺が増える時期でもあるため、その注意喚起としてもインパクトがありそうですね。
【お題例:人気曲の歌詞】
⑨リンゴはなんにも 云わないけれど リンゴの気持ちは よくわかる リンゴ可愛や 可愛やリンゴ
⑩上を向いて歩こう 涙がこぼれないように泣きながら歩く 一人ぽっちの夜
高齢者にも人気のある曲の歌詞の一部です。多少長くなってしまっても歌詞を覚えている方は多いかと思いますので、気軽に取り組むお題としては良いのではないでしょうか。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
このように一言で伝言ゲームとは言っても、手書きの文字やジェスチャーなどで伝える手段を変えることでバリエーションが広がります。
利用者さんの状態にも合わせて実施しやすい形式やお題で取り組んでみてください。
お題も利用者さんの興味や関心に合わせることで、より覚えやすいお題にもなるでしょう。
ぜひ、伝言ゲームを楽しんでみてくださいね。