今回は映画「ちはやふる」でも話題になった「百人一首」。
今回は百人一首クイズをご紹介していきます。
これに正解できればちょっと賢そうに見えるかも?それでは、クイズスタートです!
百人一首クイズ!!三択問題!【前半10問】
第1問
天の原 ふりさけ見れば 春日なる に続く下の句はどれでしょうか?
① 富士の高嶺に 雪は降りつつ
② 三笠の山に 出でし月かも
③ 白きを見れば 夜ぞふけにける
第2問
花の色は うつりにけりな いたづらに に続く下の句はどれでしょうか?
① わが身世にふる ながめせしまに
② わが衣手は 露にぬれつつ
③ 声聞くときぞ 秋は悲しき
第3問
これやこの 行くも帰るも 別れては に続く下の句はどれでしょうか?
① 知るも知らぬも あふ坂の関
② 世をうぢ山と 人はいふなり
③ こひぞつもりて 淵となりぬる
第4問
天つ風 雲のかよい路 吹きとぢよ に続く下の句はどれでしょうか?
① 乱れそめにし われならなくに
② わが衣手に 雪はふりつつ
③ をとめの姿 しばしとどめむ
第5問
ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 に続く下の句はどれでしょうか?
① まつとし聞かば 今帰り来む
② からくれなゐに 水くくるとは
③ 夢の通ひ路 人めよくらむ
第6問
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の に続く下の句はどれでしょうか?
① 衣ほすてふ 天の香具山
② あはでこの世を 過ぐしてよとや
③ ながながし夜を ひとりかも寝む
第7問
わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと に続く下の句はどれでしょうか?
① 人には告げよ あまのつり舟
② みをつくしても あはむとぞ思ふ
③ 有明の月を 待ちいでつるかな
第8問
このたびは ぬさもとりあへず 手向山 に続く下の句はどれでしょうか?
① 我が身一つの 秋にはあらねど
② 紅葉のにしき 神のまにまに
③ むべ山風を嵐といふらむ
第9問
ありあけの つれなく見えし 別れより に続く下の句はどれでしょうか?
① 暁ばかり 憂きものはなし
② いつみきとてか 恋しかるらむ
③ 人に知られで くるよしもがな
第10問
ひさかたの 光のどけき 春の日に に続く下の句はどれでしょうか?
① 人めも草も かれぬと思へば
② 今ひとたびの みゆき待たなむ
③ しづ心なく 花の散るらむ
百人一首クイズ!!三択問題!【前半の答え】
第1問 ② 三笠の山に 出でし月かも
答えの解説
大空に輝く月は、かつて見た奈良の春日にある三笠山の月とおなじかもしれないなぁ。詠んだのは安部仲麿(阿倍仲麻呂)です。遣唐使として唐にわたりながら、ついに帰国できなかった望郷の念が込められています。
第2問 ① わが身世にふる ながめせしまに
答えの解説
(桜の)花の色はすっかり色あせてしまった。それと同じように自分もすっかりと衰えてしまった。長雨を眺めて物思いにふけっている間に。これは、絶世の美女とうたわれた小野小町の歌です。小町の最後は伝わっていませんが、華やかな若いころと比べると寂しい晩年だったのかもしれません。
第3問 ① 知るも知らぬも あふ坂の関
答えの解説
都から東国に下る人も都に戻る人も、顔を知っている人も知らない人も、別れては出会うのが、この逢坂の関なのだなぁ。これは、琵琶の名手として知られた蝉丸の歌です。後続の血を引くともいわれていますが定かではありません。
第4問 ③ をとめの姿 しばしとどめむ
答えの解説
天に吹く風よ、雲の通路を閉じてくれ。天に戻りそうなこの乙女たち(の舞)をしばらく見ていたいから。作者は三十六歌仙の一人とされる僧正遍照。出家前に詠んだ情感あふれる一句です。
第5問 ② からくれなゐに 水くくるとは
答えの解説
はるか昔の神の時代でも聞いたことはないでしょう。この竜田川の水を(紅葉で)真紅色に絞り染めにしてしまうとは。作者は伊勢物語の主人公ともいわれる平安きってのモテ男、在原業平です。歴史書『日本三大実録』でも美男であるとされ、学力はあるとは言えないが和歌の才能は素晴らしかったなどと評されました。
第6問 ③ ながながし夜を ひとりかも寝む
答えの解説
垂れ下がった山鳥の尾羽のように長いこの秋の夜を、離れ離れで寝る山鳥のつがいのように、私もたった一人で寂しく寝ることになるのかなぁ。作者は飛鳥時代の歌人、柿本人麻呂です。万葉集では第一の歌人とされます。新しい時代の幕開けに立ち会い、天皇を神としてあがめる歌も多数作りました。
第7問 ① 人には告げよ あまのつり舟
答えの解説
わたの原(海原)の多くの島(八十島)をめざして私を乗せた船は漕ぎ出していったと、(都にいる)私と親しい人に告げよ、釣り船の漁師よ。作者は参議篁(小野篁)です。才能に秀でた人で、政治家としても優れていたようです。篁は昼間は朝廷で役人として勤め、夜になると地獄に通じる井戸を伝って閻魔大王の裁判を補佐したという伝説の持ち主です。その井戸が六道珍皇寺に今も残されています。
第8問 ② 紅葉のにしき 神のまにまに
答えの解説
今回の旅は急だったのでお供えの幣帛の用意もできていません。とりあえず、この手向山の美しい紅葉の錦のような景色を神よお受け取りください。菅家とは菅原道真のことです。道真は当時第一級の学者でしたが藤原氏との政争に敗れ都を追われました。その後、都に戻ることなく九州の大宰府でその生涯を終えました。
第9問 ① 暁ばかり 憂きものはなし
答えの解説
明け方の月がつれなく、そっけなく空に残っていたように、あなたが冷たく見えたあの別れ以来、夜明けほどつらく思えるものはありません。壬生忠岑は身分の低い官僚でしたが、歌人としては一流の腕を誇っていました。そのため、古今和歌集の選者として抜擢されました。
第10問 ③ しづ心なく 花の散るらむ
答えの解説
日の光がこんなにものどかな春の日に、どうして、(桜の)花だけが落ち着いた心がなく散ってしまうのだろうか。作者の紀友則は土佐日記の作者である紀貫之のいとこです。古今和歌集の選者の一人になりますが、和歌集の完成を見ることなくこの世を去りました。
続いて後半です!!
百人一首クイズ!!三択問題!【後半10問】
第11問
人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香に匂ひける この句の作者は誰でしょうか?
① 凡河内躬恒
② 三条右大臣
③ 紀貫之
第12問
しのぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで この句の作者は誰でしょうか?
① 参議等
② 平兼盛
③ 坂上是則
第13問
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思い初めしか の句の作者は誰でしょうか?
① 壬生忠見
② 右近
③ 天智天皇
第14問
あらざらむ この世の物の 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな の句の作者は誰でしょうか?
① 藤原道信朝臣
② 和泉式部
③ 恵慶法師
第15問
めぐりあひて 見しやそれとも 分かぬまに 雲隠れにし 夜半の月かな の句の作者は誰でしょうか?
① 紫式部
② 大納言公任
③ 右対象道綱母
第16問
大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立 の句の作者は誰でしょうか?
① 赤染衛門
② 大弐三位
③ 小式部内侍
第17問
夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ の句の作者は誰でしょうか?
① 相模
② 清少納言
③ 伊勢大輔
第18問
玉のをよ たえなばたえね ながらへば 忍ることの 弱りもぞする の句の作者は誰でしょうか?
① 式子内親王
② 道因法師
③ 後徳大寺左大臣
第19問
嘆けとて 月やは物を 思はする かこち顔なる わが涙かな の句の作者は誰でしょうか?
① 寂蓮法師
② 俊恵法師
③ 西行法師
第20問
瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ の句の作者は誰でしょうか?
① 三条院
② 崇徳院
③ 順徳院
百人一首クイズ!!三択問題!【後半の答え】
第11問 ③ 紀貫之
答えの解説
人の心はどのように変わってしまうかわかりませんが、昔なじみの(梅の)花は昔と変わらずによい香りを漂わせて咲いていることだ。作者の紀貫之は平安時代前期の歌人で、古今和歌集の選者の一人です。当時の和歌の第一人者として、後世に大きな影響を与えました。人の心の移ろいやすさと、変化しない自然の対比は現代にも通じるテーマでしょう。
第12問 ② 平兼盛
答えの解説
私の恋心は、隠そうと思ってもつい顔に出てきてしまったのだな。何か物思いすることがあるのかと人が尋ねてくるほどに。平兼盛は光孝天皇の玄孫で、三十六歌仙の一人に数え上げられる歌人です。隠しても、つい表に出てしまう恋心というのは誰しも覚えがある経験かもしれませんね。
第13問 ① 壬生忠見
答えの解説
私が恋をしてしまったという浮名がこんなにも早く世間に広まってしまった。誰にも知られないよう、あの人のことを思いはじめたのに。壬生忠見は壬生忠岑の子で三十六歌仙の一人です。960年に行われた天徳歌合において恋を題材とした 平兼盛の しのぶれど の歌と対決し敗れてしまい、そのために悶死したとの伝説があります。どちらも百人一首に選抜されるくらいの名歌ですから、判定者もさぞ困ったことでしょう。
第14問 ② 和泉式部
答えの解説
(あることがない)私の命にとって、あの世への思い出として、私の命が尽きる前にもう一度だけあなたに会いたいものです。作者の和泉式部は平安時代中期の歌人です。冷泉天皇の皇子とも熱愛が発覚するなど恋多き女性としても知られました。そんな彼女が最後に会いたいと思ったのはいったい誰だったのでしょうか。
第15問 ① 紫式部
答えの解説
めぐりあって、見たことが確かかどうか分からない間に、あなたは雲隠れしてしまった。まるで、雲間に隠れた月のように。紫式部は言わずと知れた「源氏物語」の作者です。才媛として知られ藤原道長の娘彰子の女房として宮中に仕えました。
第16問 ③ 小式部内侍
答えの解説
大江山を越えて行く生野の道は遠いので、まだ、行ったこともない天の橋立は見たこともないし、そこからの母の手紙などみておりませんよ。小式部内侍は和泉式部の娘で一流の歌人として知られました。周囲には彼女の和歌は母親に代筆してもらっているのではないかというものもいました。ある時、宮中でとある貴族が「いつも母親に書いてもらっているのだろう」といった類のからかいをしてきたの、小式部内侍はとっさにこの歌を詠みました。歌枕、掛詞、情景描写どれをとっても素晴らしく、からかった貴族は返す言葉がなかったそうです。
第17問 ② 清少納言
答えの解説
まだ夜も明けていないのに、鶏の鳴きまねをして(朝が来たといって)黙って帰ろうとしても、私に会うというこの逢坂の関は、そう簡単に騙されて通しはしません。清少納言は当時の女性にしては珍しく漢学の素養もあり、才女として知られました。中宮定子の女房として宮中に仕え、紫式部とは主人が違うライバル同士でした。
第18問 ① 式子内親王
答えの解説
私の命(玉の緒)よ、切れてしまうなら切れてしまえばいい。このまま生き永らえたとしても、(恋心を)隠し通す気力も弱ってしまうでしょうから。式子内親王は後白河天皇の皇女です。賀茂神社に斎宮として10年間仕えました。斎宮を務めた女性は多くの場合は生涯独身でした。
第19問 ③ 西行法師
答えの解説
月が私を悲しませようとでもしているのでしょうか。いや、そうではないでしょう。ですが、そうとでも思いたくなるほど月にかこつけて涙が流れてしまうのです。西行は元は武士で、俗名を佐藤義清といいます。妻子を捨てて出家し、諸国を旅して多くの歌を詠みました。晩年に詠んだ ながはくは 花の下にて 春しなん そのきさらきの もちつきのころ という桜の下で死にたいと願った歌も有名です。
第20問 ② 崇徳院
答えの解説
急流で、川の瀬が激しく速いので、岩にせき止められた水が一度は二つに分かれても、最後にはまた必ず会おうと思う。崇徳院は保元の乱で敗北し、四国の讃岐に流された人物です。平安の終わりで世の中は貴族中心から武士中心に移り変わる激動の時代でした。その時代で分かれ分かれになってしまった人も数多くいたかもしれません。
これで百人一首クイズは終了です!お疲れ様でした♪
いかがだったでしょうか?
百人一首を通じて、和歌の世界に触れてみると日本人の心の中にある自然や心情をいつくしむ気持ちが読み取れたかもしれませんね。
ちょっとマニアックな問題もあったと思いますが、楽しんでいただけたら嬉しいです。