施設やデイサービスなどでは高齢者の方を対象に、楽しみもかねてレクリエーションをおこなうところも多いと思います。
レクリエーションといっても難しい内容や寝たきりの方など活動性の低い方など、参加される高齢者のレベルによってその内容を考えなければならないのは、職員さんにとってもかなりの負担になると思います。
しかし、やはりレクには沢山の良い効果がありますので、ぜひ実施していただきたいです。
目次
レクリエーションの効果
レクリエーションの効果には以下の3つがあります。
❶ 運動や体操によって身体機能面の維持や改善をはかること。
介護度が低い方でも寝たきりの方でも、元気なころに比べて運動量は減ってきます。
❷ 認知機能面の維持・改善すること。
手先を使ったり脳トレなど計算や書き取りをするレクリエーションにおいても脳の活性化ははかれますが、運動でも活性化されます。
❸ 精神衛生上よいこと。(心のケアになる)
レクリエーションを通じて他人とのコミュニケーションが取れ、楽しみや生きがいに繋がり、生活の質(QOL)の向上が期待できます。
それは重度認知症と診断された方でも同様のことがいえますので、そのような方でも積極的にレクリエーションを実施することをお勧めします。
今回はそのような重度認知症の方でも参加できて、上記の効果をもたらすレクリエーションをまとめましたので以下で紹介します。
重度認知症の高齢者におすすめのレクリエーションゲーム10選
❶ 合唱
新しい歌や難しい歌ではなく参加される方の年代を考えて、その方々の青春時代にはやった歌などを選ぶようにしましょう。
認知症は新しい記憶は忘れやすくなりますが、昔の思い出や記憶は覚えているものです。
それは重度認知症の場合でもいえることが多く、歌によって当時のことを思い出したりすることがあります。
これは「回想法」といって認知症のアプローチのひとつでもありますので、しっかりお話を聞くようにしましょう。
歌うことが苦手な方は聴いていただくだけでもリラックス効果が期待できます。
❷ 風船バレー
椅子を並べて輪になってもいいですし、チームに分かれておこなうのもいいですね。
普通のボールと違いゆっくりとした動きになりますので重度の認知症の方でも反応しやすいですし、盛り上がっていただけると思います。
しかし椅子に座ってあるとはいえ、職員の方は椅子からの転落には十分注意して下さい。
他にも色んな風船レクがあります。
❸ バランスボールリレー
うちわやラケットの上にボールをのせて、落とさないようにするゲームです。
リレー方式で早く最後の人についたチームが勝ちです。
このゲームはバランス感覚も鍛えることができます。
もし普通のボールでも難しいようでしたらボールを小さくしたり風船のようにふわふわしたものですと、ボールの動きがわかりやすくなると思います。
❹ 割り箸落とし
ペットボトルに割りばしを10本入れます。
それをチームの数だけ用意します。
職員の掛け声と同時に各チーム最初のメンバーが割りばしをペットボトルから出し、また直します。
直し終わった方ら次のメンバーにペットボトルを渡し、最後のメンバーが早く終わったチームの勝ちです
❺ じゃんけんリレー
チームに分かれて一列に並びます。
先頭の人がチームの2番目の人とじゃんけんをします。
2番目の人が勝ったら、2番目の人は3番目の人とじゃんけんをして…を繰り返し、最後の人が早く勝てば、チームの勝利です。
❻ 輪投げ
新聞紙を棒状に丸めて輪を作ります。
輪はできるだけ大きい方がよいと思います。
大小のペットボトルなどピン状のものを数種類用意します。
新聞紙で作った輪をペットボトルなどにめがけて投げます。
狙うペットボトルなどが小さければそれだけ得点が大きくなり、得点が多い方が勝ちとなります。
❼ 玉入れ
傘たくさんのお手玉を用意します。
参加者にはチームに分かれて、チームごとに輪になって座っていただきます。
傘を開いて逆さにして職員がその傘を持って輪の中心に座ります。
その傘をめがけてお手玉をいれて、多くのお手玉が入ったチームが勝ちとなります。
❽ ボーリング
ペットボトルを10本用意して、ボーリングのピンのように並べます。
ボーリング玉と同じくらいの大きさのゴムボールを一つ用意します。
一定の位置からボールを転がし、多くのピンを倒した方の勝ちとなります。
10本では物足らない場合はピンの数を増やしても盛り上がります。
❾ 音楽に合わせての体操
簡単な動作を入れ込んだ体操をします。
リズムに合わせておこないましょう。
高齢者の運動レベルに合わせて歌をえらびましょう。
❿ パズル
パズルをおこなう方に合わせてピースの数の少ないもの、多いものを職員が選んで実施していきます。
それでも難しい場合はピースの裏と台座にそれぞれ番号を書いて、初めは番号を見ながらおこなっていただき徐々に番号を見ずにおこなっていただきましょう。
そして一度だけでなく何度もおこなうことが重要です。
希望のパズルがない場合は作ってみるのも良いかもしれません。
以上!重度認知症高齢者向けのレクリエーション10選でした。
いかがでしたでしょうか?
重度認知症の方のレクリエーションで注意しなければいけないことがあります。
それはその方の尊厳を傷つけないことです。
重度の認知症を患っているからといって、感情がなくなっているわけではありません。
嫌そうに参加されていたり、失敗ばかり続くような難しいレクリエーションでは、それが拒否行動に代わり結果的に介護拒否につながる可能性もあります。
防ぐ為には苦手そうであれば途中でやめてもらってもかまわないので、しっかりその方の表情などを観察しておくこと、レクリエーションにおいても成功体験を味わえるように注意して、レクリエーションを進行してください。